訪問者
選挙に敗れて、訪れる人も少なくなり、そのことが幸いのようにも思える時期を過ごしてきたが、1月の中旬だったであろうか、K氏が訪ねてきた。ノックをする音がしたので、いつものように「ハイ、どうぞ」と声をかけるのだが、ドアは開かない。こちらで開けるとそこには思わぬ人が立っていた。1年ほど前まで議場内外で激しい原発論議を展開していたK氏であった。思わず、「オッー、・・・・」としか声が出なかった。一瞬おいて、「まあ、どうぞ。お茶でも」
「いやあ、噂によればだいぶショックを受けて元気がない、と聞いたもんだから」と話す彼に、私も「オレが聞くのも変だけど何してる?ネットの仕事もあるし、お子さんも生まれたって聞いたから、お子さんの世話も忙しいか?」と話しながら、コーヒーの苦手な彼に最高級のウーロン茶を出してあげた。
しばらくの子ども談義のあと、少しは冷静さを取り戻した私「そう言えば、選挙の時はあまり、声も聞かなかったし、顔も見なかったなあ」「うん、あまり表に出るな、といわれたから」と正直な彼。「オレとしては潔しとしないんだよなあそういうの」と私。お互いさらりと言えるところが不思議な雰囲気だった。5分ほどして、別のお客さんがやってきて、ギョッとした表情で私たち二人を見ていた。K氏はそこで帰ったのだが、過去4ヶ月の中で一番の訪問者だった。最高級ウーロン茶もカフェインが強いらしく口に合わない様子だったのは返す返すも申し訳なかった。(本音:コノヤロー)けど、ありがとう。(本音:アリガトウ)
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